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    • 2015.05.06 Wednesday
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    木工や家づくりに付いて 雑感

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       先日製材屋さんの社長さんといろいろお話をさせてもらって、いろいろ考えさせてもらいました。ご報告がてら少し書いてみたいと思います。

      この社長さん、お若い頃に働きながら夜の専門学校に通いインテリアの勉強をされていたそうです。当時から女性に人気の職業だったようで男性はたったの二人。様々な課題をこなすうち、ご自身のセンスに疑問をもたれたそうです。
      ご自身が良いと思った柄や色彩が、あまり評価されない。
      そういったご経験から女性の繊細な感覚は男性に無いものがあると気が付かれたそうです。

      まあ一概には言えませんが、デザインの世界も女性ならではの華やかさや柔軟さを感じる事がしばしばあります。これは理屈ではなく、生まれもっての感性だと思う事がありますね。教科書どおりではなく、直感力で表現できる感性とでも言いましょうか。

      社長はこうした女性の感性こそが建築やインテリア界に必要なんだと仰っておりました。

      これは男性だとなかなか言える事ではないですね。どうしてもプライドや嫉妬心が邪魔をしてしまう。社長としてのお立場でありながら、威張るでもなく業績をひけらかすでもなく、楽しそうにざっくばらんに語れておりました。
      これはなかなか出来ない事だと思います。

      良くも悪くも建築界は男社会。
      これが家が売れない理由ではないかと社長は仰っておりました。

      家づくりにおいても、財布やイニシアチブを握るのは圧倒的に女性だそうです。ですから、女性層に受け入れられるインテリアや住宅を供給できなければ売れないのは確かだと思います。

      家具貼を読んで頂いて、少しでも男性が家づくりや家具づくりに参加してほしいという願いはあります。
      しかし、昔から家を守るのは女性の仕事でしたから、女性の方が家に興味や関心が高いのは当たり前なのかもしれません。

      色彩感覚やインテリアの重要さに無頓着な男の作り手が、変なプライドで「職人の仕事に口を挟むな!」とそっぽを向いてきたのが日本の建築業界の現実なのかもしれません。

      ちなみに女性誌のインテリアや木工などの編集も、当然ながら女性が圧倒的に多い。
      ナチュラルテイストや雑貨的なアンティークがやっぱり好まれます。
      一方、男性向けの木工本や建築系業界誌などは男性が多い。
      シャープな格好良さや、アメリカン、アート系、無機質、無骨といったテイストが売りだったりします。
      そこにあるのは、格好よさや「凄さ」や「驚き」です。
      それはそれで難しい事に挑戦されていて感心するのですが、頭で考え計算された理屈が作品ににじみ出てしまう欠点もあります。
      少なくとも私にとっては何度も見返して、ワクワクしたりうっとりできるようなものではない作品例が多いですね。

      社長さんのお話では、「男性は口うるさくめんどくさい」人が多く、理屈や技術論に走りがちだそうです。良いものでも自分の中で満足して教えない人が割と多いそう。
      この感覚は静かに独りになりたいから、ひいきの飲み屋を教えないのと同じだそうです。

      分かります分かります(苦笑)

      とある雑誌の編集さんも、「男性は道具や知識にこだわるけれど、作った作品を生活で使わない人が多いですね」と仰っていました。
      これは驚きでしたね・・・。本当にのけぞって驚いてしまいましたよ(笑)
      作って満足しちゃうんですね。
      難しいホゾ組みなどの技術を見せたいのかもしれませんが、それは使いましょうよ。

      ある知人は、「旦那の作る木工が、ダサすぎて使いたくない」と愚痴っておりまして・・・。
      これもまた悲しい現実なんです。

      一方、女性は素直。良いものは口コミで広がるし、みんなと喜びを共有したいのだそう。
      技術にもそんなにこだわらないので、ワークショップで教える際も楽しく滞りなく進むのだそうです。

      まあ、男と女はこのような違いがありまして、こうしたボタンの掛け違いが、作り手に限らず、施主夫婦でもめたりして結果ちぐはぐな住宅を生み出してしまう原因なのかもしれませんね。

      男性は女性に屈しろという訳ではないのですが、住宅を実験的な表現に利用する建築家が後を絶たない現状をつぶさに見ておりますと、果たして施主や時代のニーズというものをご理解して設計しておられるのかな?と、少々疑問を感じるのであります。

      私は建築家や職人は好きですし、尊敬すべき存在だと思っています。
      私には出来ない技術や知識を持っているのですから当然です。
      しかし頑固さは時として硬直を生み、芸術的こだわりは時代の波に翻弄されて淘汰されていく・・・。

      せっかくの素晴らしい技術も引き継ぐ若者がいなければ、失われていくのです。
      実にもったいない。

      私は家づくりを通して気が付いた事は「家は素材の善し悪しやコンセプトでは語れない」と言う点です。
      「このケヤキの天板の良さが分からん奴は、買わなくて結構!」
      「俺の芸術的センスが理解できないなら頼みに来なくて結構!」
      と材木屋さんや建築家が言いたいのもホントに痛い程分かりますが、この言葉に納得できるのは男性に多いと思うのです。

      女性にとってときめく要素は、ケヤキの一枚板ではなく、雑貨やカーテン、絨毯までを含めた暮らし全体のイメージなのです。
      女性にとって住宅とは技術や権威、成功の証ではなくて、家族が楽しく暮らせる暖かい空間なのだと思います。

      一時期建築家が好んで使用した、無骨なコンクリートむき出しの内装も、優しい癒されるような空間とは程遠く、男性的なインテリアにしか似合わないでしょ?

      「ケヤキ?コンクリート打ちっぱなし?そんなところで無理をするなら、旅行や美味しいものを食べに行った方がいいじゃん。」
      と奥さんに冷たく言われてしまう旦那衆が日本全国に沢山いるはずです。

      ですから、女性に好まれる素敵なイメージをトータルで演出できない住宅メーカーや建築家は、どんなに良い素材を使っていても、どんなに斬新なコンセプトを提案しても淘汰されてしまう。
      一点豪華主義も、斬新さが売りな新進気鋭の建築家でも、女性の抱くイメージに対し、言葉での説得では無理なんです。


      素敵さとは全体感です。
      全体感は、家具や建具、庭まで含めます。
      特に大事なのは比率や気持ちのよいバランスを直感で解る事です。
      理屈じゃない。

      建築家はしばしば斬新な設計を売りにしますが、バランス面で言えば微妙だったりもします。
      特に窓の位置なんか見ましても、大小、機能、様々な窓を使い分けている住宅が多いですね。しかし美しい配置か?と言えば、そこには全く意識が行っていません。
      玄関の雨よけのひさしなんかも、金属の棒で吊ったりして、「華奢な感じがデザイン的にすっきりしていていい」なんて例もありますが、私は質実剛健こそが安心して住める家だと言う意識が強いので、不安にかられてしまいます。
      ひさしがガラスだったりしたら、「ヒョウでも降ってきたらどうなる?」とこれまた不安で眠れなくなります。

      最近安くてゴージャスに見える素材などもよく設計に使われます。
      これって結構素人目にはごまかせると思うんです。ピカピかの鏡面仕上げの扉や、劣化しにくいガリバリウム鋼板とかですね。
      汚れない外壁なんかもあります。
      そいう新建材と無垢の木を織り交ぜて使う建築も多いのですが、異素材の組み合わせとは言え、素材同士が喧嘩して馴染んでいないと私は思います。


      じゃあ逆に自然素材をふんだんに使えば、良い家になるのかと言えばそれも違います。
      ログハウスに泊った事がある方は分ると思うのですが、内装が全部が木って以外と落ち着かないものですよ。窓から階段、手すりまで全部無垢の木だったのですが、やっぱり変。
      壁も天井もみんなライトオークの色なんですもん。
      木は大好きな素材ですが、そんなにはいらないと思いました。


      つまり、どんなに良い材料を使っても、ぱっと見、ゴージャスなデザインにしても、その中で心地よいバランスが成立していなければ、人に長く愛され続ける家や家具にはならないと思うのです。

      なぜにバランスにこだわるのかと言えば、長年のデザイナー生活でしょっちゅう痛感させられるからです。
      私の携わるキャラクター商品は、全国にヘビーなマニアが沢山いらっしゃいます。
      当然ヤフオクなどにも出品され、毎日のように売買が行なわれております。
      その中で、バランスよく出来たと思える商品は高値で取引される。もしくは出品すらされずにコレクションされてしまいます。
      一方、中途半端で「修正したい」と思っていた商品は安値で取引されてしまうのです。

      失礼な言い方ですが、お客さんはデザインなんてたいして解らないものです。
      デザイナーのこだわりも全く伝わらなくてがっかりする事もしょっちゅうあります。
      この現実は、デザイナーなら多くの方が頷いてくれると思います。

      しかし、お客さんは全体から受ける印象や心地よいバランスは見抜けるのです。
      だから怖いし、あなどれない。
      コンセプトも使う素材も広告にも力を入れたのに、「何で売れないの?」と頭を悩ます男性方、以外とバランス悪かったりしませんかね?
      私は長年の成功や失敗で痛感している次第です。

      そして、そのバランスを作り上げる事もまた、非常に難しいのですけどね・・。




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        • 2015.05.06 Wednesday
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        コメント
        丸林さんちさん、こんにちははじめまして!書店で、丸林さんちさんの本を手に取り、感動しました!
        わたしは今、自分のカフェに向かって進んでいる最中なのですが、自宅カフェという形で、1FをほとんどDIYする予定です。
        そこで、理想の雰囲気・スタイル・色をずーっと考え、さまざまな本を読んでいたのですが、丸林さんちさんの家具や、全体の雰囲気がどんぴしゃで大好きです!!!^^で会えて本当に良かったです!!!!!ありがとうございます!!!家の施工までもうしばらく、ウキウキしながら丸林さんの本を穴があくまで読みたいとおもいます!!!
        ブログもこれからバックナンバーを読ませていただきます!!!
        星様
        コメント頂きましてありがとうございます!
        暑さに負けてしまい、作業もブログも放置状態ですが、そろそろ涼しくなって来たので頑張りたいと思います。
        しかしながらご自宅をカフェにするとは楽しそうな計画ですね!出来上がったら是非見てみたいです!このブログ上で宣伝しますよ〜。
        • ishikawa
        • 2012/09/04 7:09 PM
        コメントのお返事どうもありがとうございます!!せ、宣伝!恐縮です!
        はげしく素人ではありますが、いつか見ていただけるように、なにがなんでも頑張りたいと思います!!^^子ども部屋の過程、ほんとうにすごいです!!!
        はじめまして。
        丸林さんちの小さな家具帖3を購入させてもらいました!
        作品はもちろん、写真もすごく雰囲気があって素敵ですね。
        私は木工始めて一年ほどなんですが、その楽しさにはまりまくっています。
        言われているように、木工の本は技術に詳しいけどセンスがいまいち、、、っていうのがほとんどなのでうれしいです。
        今、糸のこを購入しようと思っているのですが、何かオススメやポイントがあれば教えてもらえますか?
        • chiyo
        • 2012/10/01 8:36 PM
        chiyo様。
        家具貼ご購入頂きましてありがとうございます!
        気に入って頂けたようで、なによりです。
        さて糸のこですが、糸ノコ盤の事でしょうか?
        これは佐和子さんの専門なのであまり詳しくないですが、セミプロ用になると5万円以上しますね。初心者はマキタや日立の2万円台のもからスタートするのがよろしいかと思います。1万円台の安い外国製は修理が出来なかったりするのでお薦めしません。特に糸ノコ盤は振動にさらされるので、消耗する箇所をプラで安価に済ませている場合がありますので、国産を選んだ方が後々安心です。
        それでは木工ライフを楽しんでください!

        • ishikawa
        • 2012/10/05 3:27 PM
        こちらの記事をFacebookにて紹介させていただきました。
        http://www.facebook.com/ringyou/posts/242312105897494
        • 林業ニュース
        • 2012/11/08 6:41 AM
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